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府中「大國魂神社」の例大祭「くらやみ祭」で幻想的な夜を体験する初夏のおでかけコース

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府中「大國魂神社」の例大祭「くらやみ祭」で幻想的な夜を体験する初夏のおでかけコース

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武蔵国の国府祭「くらやみ祭」をご存知ですか?府中に創建されて1900年余りを迎える「大國魂神社」の例大祭です。今夜は都の「無形民俗文化財」にも指定されている歴史あるお祭りを堪能します!「府中駅」から出発して、「大國魂神社」に導く「けやき並木通り」へ。通りに勢ぞろいした「山車」を楽しみながら、大鳥居まで行きます。次に、参道の出店数が500とも言われる屋台を巡りお腹を満たしたら、本日のクライマックスへ。6頭もの馬が夜の旧甲州街道を駆け抜ける「競馬式(こまくらべ)」を見学。最後に府中駅直結の「ぷらりと京王府中」でお土産を買って帰ります。2019年秋公開予定の映画「くらやみ祭の小川さん」の舞台でもある、幻想的な夜のお祭りへでかけましょう!

夜 からスタート!

Good Evening!
Good Evening!

01

【18:00】京王線「府中駅」スタート

【18:00】京王線「府中駅」スタート
府中駅

大國魂神社の最寄駅は京王線「府中駅」です。特急・準特急・急行・区間急行・快速・各駅停車とすべての列車種別が停まり、「新宿駅」からは特急で約20分とアクセスも良好。大國魂神社は由緒ある、緑深い大きな敷地を持つ神社ですが「府中駅」から徒歩5分とかからないところにあります。

02

【18:10】府中のシンボル「けやき並木通り」の山車を見物、「府中囃子」の競演を楽しむ

【18:10】府中のシンボル「けやき並木通り」の山車を見物、「府中囃子」の競演を楽しむ
けやき並木通り

駅の南側に降りて1分とかからずに見えてくる、大きなけやきのある参道が「けやき並木通り」です。国指定天然記念物「馬場大門のケヤキ並木」と言われている立派な並木道は、この街のシンボル。昼間は新緑が美しいこの並木道に、今夜はお祭りの山車が出揃い、府中囃子が響き渡ります。その様子はとても賑やかで圧巻!私たちが到着した時には既に、大勢の観光客で盛り上がっていました。

「くらやみ祭の案内が出ているよ」 「神社の案内ではお祭りは4月30日から始まっていると案内されていたけど、見どころは、5月3日、今日からなんだね」 今年は開催中に新元号「令和」になるということで、お祭りの主要な行事が始まる5月3日より前の連日も、多くの人が訪れ盛り上がりを見せているとのこと。
私たちは、聴こえてくる太鼓や笛の音に誘われて、足早に山車に向かいました。 山車の上で披露されているのは「府中囃子」です。府中の町内会から出される山車は「目黒流」と「船橋流」のふたつの流派があるとのこと。 提灯に「東馬場」と書かれた山車は「目黒流」。お面を被った人が、リズムに合わせて調子よく踊っている様子は、こちらまで楽しくなります。背丈から、踊っているのは子どもと思われます。
こちらの主に大人が主役の山車は「けやき若連」で、こちらも「目黒流」。 「篠笛、太鼓の演奏、絶妙だね。お祭りのために練習を積んだんだろうね」
普段とは違う並木通りの景色に酔いしれます。 「古典芸能っていうのかな?こういう文化は大切にしなくちゃって思うね」 友人の言葉に私も思わず頷きました。 後で調べてみると「府中囃子」は府中の郷土芸能で保存会もあり、多くの人に守られているとのこと。その一員が子どもで、山車の上で一生懸命踊っていたのだと思うと、さらに感動しました。

03

【18:40】「大國魂神社」の屋台を楽しむ

【18:40】「大國魂神社」の屋台を楽しむ
大國魂神社(武藏總社六所宮)

東京五社の一社「大國魂神社」。今日は例大祭かつ連休ともあって、屋台が並ぶ境内の参道は、前に進めないほどの混雑ぶり。屋台のどのお店も、順番待ちのお客さんでいっぱいです。店員さんは、忙しく手を動かしながらも嬉しそうでした。

「500店ぐらいの屋台が出ているんだって」 「すごい数だし、食べ物もボリューム満点だよね」 広島焼きのお店は、たくさん出店していましたが、私たちは目玉焼きがちょこんと乗せられたこちらを600円(税込)で購入。
次はまるで屋台村にようになっていた、大きな休憩処を見つけました。 こちらでは、席に座って食事ができます。 いろんな串が用意されていて、1串100円〜150円(税込)とお手頃価格。 他には、もつ煮込み、焼き鳥、おでんといったメニューがありました。
いつもは余裕ある境内の敷地いっぱいに繰り広げられた屋台。その屋台に集う人、人、また人。 とにかく、すごい熱気です。 「昔は名前の通り、街の明かりが消えた深夜にお祭りが行われていたんだって」 と友人が教えてくれました。 今の祭りの風景とは、また違ったお祭りだったのだろうと思われます。
「なぜ、くらやみで始まったかというと、神輿渡御の時に、神様の姿を見たらだめだったんだって。高貴なものは人目にさらしてはいけないから、わざわざくらやみで行ったそうだよ」 お祭りのメイン、神輿渡御は5月5日。今回は見ることはできませんでしたが、いつかその神聖な行事を見てみたいと思いました。 私たちは屋台を楽しんだ後、一番奥にある本堂にお参りし、本日のメイン「競馬式(こまくらべ)」に向かいました。

04

【20:00】「競馬式(こまくらべ)」を見学する

【20:00】「競馬式(こまくらべ)」を見学する
大國魂神社(武藏總社六所宮)

午後8時にスタートする「競馬式(こまくらべ)」。和装装束に身を包んだ騎手が、馬に乗って府中の街中を駆け抜けます。くらやみに響くのは、馬の蹄の音だけ。 観衆を今の時代とは思えない幻想的な夜に誘います。

「競馬式」の開始は午後8時ですが、約1時間前から席取りが始まっていました。 私たちも係員に伺って、良く見えると思われる場所を押さえました。 馬が走るコースは、旧甲州街道です。「大國魂神社前」の交差点よりも少し東側から、西は府中街道付近までの約150mを3往復するとのこと。 押さえた場所は、東側の一番端近辺で馬が折り返す地点です。
「ここなら、一度に複数の馬が見られるよね?」 と確認して、ドキドキしながら待っていました。 最初に神主さんが現れ「競馬式」が無事に執り行われることを祈願して、お祓いが行われます。
馬は6頭。「御神馬」と書かれた提灯と共に、次々に旧甲州街道に入ってきます。 馬に騎乗している騎手は、みな烏帽子直垂姿。時代劇を見ている気分というよりは、自分たちがタイムスリップしたかのようでした。 「馬かっこいいね。遠くから見ても迫力ある」
一之駒から六之駒まで、馬は次々に走り出します。 この「競馬式」は約1000年も続いている行事。 昔、府中辺りでは武士が騎乗する馬がたくさん育てられ、その中から良馬を選んで朝廷に献上していました。その良馬を見極めるため馬場で走らせ、調査していたのが「競馬式」のいわれだそうです。
ひとたび馬が走り出すと、観衆も息を呑んで見守っていました。ざわついていた街には、馬の蹄の音だけが響いて、それはそれは幻想的! 走り終えて、堂々と帰る馬。3往復もしたので、きっと疲れきっていると思いますが、そのような様子は微塵も見せません。
こちらの馬、「五之駒」はリラックスした様子です。白い馬の中、茶色の馬は2頭だけでした。 今日の騎手の中には、府中にキャンパスがある「東京農工大学」の馬術部の方もいたようです。

05

【21:00】「ぷらりと京王府中」でお土産購入

【21:00】「ぷらりと京王府中」でお土産購入
ぷらりと京王府中

私たちはしばらく、「競馬式(こまくらべ)」の余韻に浸り、「けやき並木通り」の山車が帰っていく姿を眺めていました。たっぷりとくらやみ祭りを楽しんだので、そろそろ帰宅の準備。改札を通る前に「ぷらりと京王府中」でお土産を買います。

「けやき並木通り」から「ぷらりと京王府中」までは徒歩1分。今回、目にとまったのは21:30まで営業している「キャトルキャール」。 「可愛いモダン」をコンセプトにおいしさとかわいらしさを追求している洋菓子店です。主に多摩地区にお店を展開しています。
「どれもおいしそうだね!」 「こいのぼりショコラ、かわいい!チョコレートケーキが鯉のぼりになっているよ」
話題の新元号、令和の文字が刻印されたサブレ。人気の品だそうです。 こちらの「令和サブレ」380円(税別)を2つ、お土産に購入しました。
手土産にぴったりな商品がたくさん揃っている「キャトルキャール」。 こういうショップが駅に直結したビルにあるのは、とても便利ですね。

06

【21:30】京王線「府中駅」ゴール

【21:30】京王線「府中駅」ゴール
府中

「ぷらりと京王府中」から改札まではすぐ。コンコースでつながっているので、時間ギリギリまで楽しむことができました。毎年、ゴールデンウィークに行われる「くらやみ祭り」。日本文化、郷土芸能に湧く府中の街を、みなさんもぜひ味わってみてくださいね。 ※このコースは2019年5月3日に行ってきました