沿線の達人/小堀誠一さん(小堀栄養納豆店 店主)・後編:街はぴライター 投稿記事

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沿線の達人/小堀誠一さん(小堀栄養納豆店 店主)・後編
【暮らし】【全線】
後尾明子」さんによって書かれた記事です。  
この記事は前編と後編に分かれています。
前編をまだお読みでない方は、まず前編からご覧ください。

<前編の内容>
●昔ながらの地釜を使って納豆づくり
●関西人も食べられる、ニオイの少ない納豆

●目に見えない菌と格闘する納豆づくり

八王子で昔ながらの地釜製法で納豆造りを続ける小堀誠一さんご夫婦(写真-上)。
納豆づくりで一番気を遣うことは、納豆の品質を均等に保つことです。
「発酵をさせるとき、ムロの中の温度は40℃に保っていますが、納豆を入れた箱の端と真ん中では発酵の進み具合が違うんです。なるべく均等に発酵するように途中で入れ替える必要がありますね。また、夏場だと気温が高いので、ムロに入れる納豆の密度を減らしたりしています」
いつどうやって手を入れれば品質が均質になるのかというのは、まさに達人の経験によるもの。職人の腕の見せ所です。

また、納豆づくりを続けていると、ときには納豆ができなくなることもあるのだそうです。
「これは親父の代のときだったんですが、杜氏の人に麹を預かってくれないかと言われてムロに麹を入れたら、納豆が全くできなくなってしまいました。きっと納豆菌が麹に負けたのでしょう」
ほかにも、一時期納豆ファージという納豆菌と同時に発生するウイルスのせいで、出来上がった納豆のねばりがなくなってしまったこともあったのだとか。
「そんなときはひたすら箱を洗ったり乾燥させてみたり、試行錯誤しましたね」
幸い、このことが原因でできた納豆を大量に捨てたり、お客さんに迷惑がかかったりするような事態にはならなかったようです。しかしそれでも菌というのは目に見えないので、原因はすぐには分かりません。いつもできていたものが急にできなくなるというのは、さぞかし戸惑うことでしょう。

●消えゆく納豆づくりの個人商店

小堀栄養納豆店の納豆づくりは夫婦二人三脚です。そのため、家族で一緒に遊びに行くということはほとんどできなかったのだそうです。
「たとえ日曜に配達を休みにしようと思っても、納豆の仕込みまで日曜に休むということはできないんですよね。やっぱり月曜には各所に配達したいから、どうしても日曜は仕込みをしなきゃいけない。すると、夫婦の休みが合わなくなるんだよね。だから、どんなにまとまって休みがとれてもせいぜい3日くらいだね」
旅行へ行くにしても国内が精一杯。海外は、韓国や台湾などの近場でしか難しいのだとか。食品製造という、鮮度が命の仕事を家族で切り盛りするには、こんな苦労があるのです。

昔は1日3回は納豆の製造していたという小堀さん御夫婦ですが、今は2日に1度という頻度に抑えています。というのも、小堀さんの納豆を販売してくれる豆腐屋さんなどの個人商店が減り、スーパーやコンビニなどの量販店が台頭して、販路がどんどん狭まっているのだとか。達人の納豆がいくら注目を浴びているとはいえ、流通の大きな変化には抗えないようです。

このような事情でお店ごとに工夫を凝らした個性豊かな納豆が食べられなくなっていくのかと思うと、なんだか寂しい気もします。
だからこそ、もしも八王子に立ち寄ることがあれば、一度お店を訪れてほしいもの。個人商店の味を今のうちに味わっておくということは、これからは貴重な経験になってしまうのかもしれませんね。

information=============================
小堀栄養納豆店
住所:
〒192-0074
東京都八王子市天神町3-2
URL:
http://www.aoiro.gr.jp/kaiinHP/horibe/
12355kobori.htm
京王八王子駅徒歩15分
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掲載日付:2008/06/04
沿線ライター:後尾明子さん
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