この記事は前編と後編に分かれています。
前編をまだお読みでない方は、まず
前編からご覧ください。
<前編の内容>
●上方、古典、創作…かける落語は多種多様
●さまざまな思いをかかえながら集まってくるメンバーたち
●存続の危機を乗り越えて、サークルを運営し続ける
多摩市の永山・聖蹟桜ヶ丘界隈で活動する、アマチュア落語サークル「多摩落語 寝床の会」(写真-上)。今回の達人である山田昇さん(写真-中)は3代目の会長で、16年もの間サークルの運営にかかわってきました。
山田さんの普段の役割は、月2回の定例会(稽古)のために場所をとったり、寄席を開催する為の細々とした打ち合せをしたりすることです。年3回の定期的な寄席以外にも、老人ホームなどから来る出張寄席の依頼に応じてその都度手配をしているのだとか。
また、山田さんはサークルHPの管理を行い、10数人いるメンバーへの連絡事項の伝達、HPからの問い合わせ対応なども一手に引き受けています。
ほかにも、寝床の会では多摩出身の落語家、三笑亭可龍さんを応援しようということで、寄席の企画や手伝いなどといったサポートも行っています。
普段は多摩市の職員として働く山田さんですが、本業の傍らこのような業務を行っているわけですから、その手間はかなりのものですよね。
「落語って実際やってみると、話を覚えるのは大変だし、寄席は緊張するしで、本当に好きでないとなかなか続かないものなんです。ですから、一時期は稽古の場所を取ったのに1人も来なかったこともありました。もうサークルを解散しようと、数カ月休んだことだってあるんです。でも、周囲からの寄席をやってほしいという希望に応えるべく細々と続けてきたんですよ。そうしたら最近はだんだん盛り返してきて、今はHPのおかげでメンバーも色々なところから集まってきて、なんとか活動しています」
稽古に1人も集まらないとなれば、誰だってやめたいと思うはず。それなのに、決して会を潰さず、20年近くも続けているというのですから、頭が下がります。
●普段から落語のネタチェックは欠かせない
月2回行われる、寝床の会の定例会(稽古)。稽古では、自分で覚えてきたネタを皆の前で披露し、メンバーからいろいろな意見をもらいます。ということは、定例会以外の時間で、落語のネタを覚え、皆の前で話せるくらいまで練習しておかなければいけません。
ひとつのネタは短くても15分くらいですから、それをすべて覚えるのはひと苦労です。覚えたところでそれを棒読みで話すわけにはいきません。抑揚をつけて上手に間をとり、身ぶり手ぶりも加えて落語の世界を表現しなければ、お客さんは笑うどころか退屈してしまいます。人の前で演じるレベルまで稽古するということは、かなりの時間がかかるわけです。
定例会ではサークルの先輩から後輩へ、口伝えでネタを教えてもらえるほどの時間はとれないので、メンバーは各自でネタを探してきます。テレビやラジオ、CDなどで落語を聞いたり、実際に寄席を見に行ったりして、面白いネタがあったら「これいただき!」と覚えるのだとか。あとはひたすら自主練なのです。
自分の時間のほとんどを落語の稽古に費やすメンバーが、落語を続けていく糧になるのが、お客さんの反応です。
「自分の話でお客さんがドーンと笑うと、快感ですよ。逆にここで受けるはずなのに反応が薄いと、話しながら焦ってくるんですよね。そんなときでも、あとでお客さんから『おもしろかったよ』と言われるとほっとします」
寄席に出るということは、かなりのエネルギーを要することですが、その労力を上回る感動があるのでしょう。
扇子と手ぬぐいさえあれば、特別に用意する道具のいらない落語。もしも、日常生活にちょっと刺激がほしい、何かときめく思いをしたいと思うのなら、ちょっと勇気を出してサークルの門を叩いてみるのも楽しそうですね。
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多摩落語 寝床の会
URL:
http://nedokonokai.com/index.html
永山、聖蹟桜ヶ丘で活動中
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掲載日付:2008/05/21