この記事は前編と後編に分かれています。
前編をまだお読みでない方は、まず
前編からご覧ください。
<前編の内容>
●新選組発祥の地である日野の気風とは
●歴史好きが高じてガイドに
●お客さんから英雄の私生活を教えてもらうことも
日野市の歴史的建造物、「日野宿本陣」でガイドをつとめる中村美智子さん(写真-上)。
中村さんによると、日野宿本陣は全国から人が集まってくるそうです。しかも、訪れる人の年代はさまざま。夏休みの自由研究のために訪れる市内の小中学生もいれば、趣味で歴史街道のウォーキングを行う中高年の団体が立ち寄ることもあります。
また、施設の訪問帳を見ると、テレビや漫画のキャラクターを模したイラストとともに、熱いメッセージがずらり。性別、年代を問わず熱心な歴史ファンがやってくることが伺えます。
「ここにくるお客さまは、きっと歴史を身近に感じたいと思っているのではないでしょうか。『玄関の十畳間で、土方歳三がお昼寝していたんですよ』とお話すると、皆さんそこの写真を取るんです。同じ空間、同じ空気が140年たっても存在するということを実感し、歴史上の人物と一体化することを求めているのでしょう」
そんな中、中村さんがガイドをやっていて本当によかったと思うのは、歴史上の人物の子孫から、その家にだけ語り継がれてきたエピソードを教えてもらえるときなのだそうです。
坂本竜馬の子孫の方や会津若松の藩主、松平容保(かたもり)公の近習頭の子孫の方や、新選組三番組長だった山口二郎(斎藤一)の住居のご近所の方などから貴重なエピソードを教えてもらうこともあるようです。
どれも、教科書には書かれていない英雄の私的な一面が垣間見えるエピソードなので、とても興味深いものだとか。こうしてお客さまとの交流を経てインプットされた知識が、ガイドの仕事にも役に立っているんですね。
また、ガイドさんによって持っている面白エピソードはさまざま。本陣を訪ねた時は、ぜひ聞いてみることをおすすめします。
●日本人の心に寄り添うような日本建築の魅力
さて、中村さんが日野宿本陣で一番好きな場所は、建物に入ってすぐのところにある上がり框(かまち)なのだとか。そこは、外からやってきた人が腰かけて、お茶を飲みながらコミュニケーションをし、ほんわかした時間が過ごせる空間だと思うからだそうです。
「ここは、建物自体に無駄がなく、生活の知恵が凝縮されているんです。物を大切にしたり、祖先を敬ったりする、人間の本来の姿勢に寄り添った作りになっているのではないでしょうか。ここに来るお客さまも、現代の生活に疲れて古き良き時代のノスタルジアを感じたいと思っているのかもしれませんね」
日野宿本陣は、一見質実剛健で飾り気のない建物のような印象なのですが、実は10年かけて質のよい建材を選びぬき、贅沢に使われている建物です。
45cm角の立派な大黒柱、樹齢約200年の杉をスライスしてたった一枚でこしらえた杉戸、木の節を瓢箪の形にくりぬいて建材のひび割れを防いだ「木入れ」など、建物内はみどころがたくさん。
宿場町の事務を行った問屋場、貴人の宿泊場所である上段の間、そして佐藤一家が暮らした部屋など、間取りを見ても典型的な本陣建築の特徴を備えています。
達人の話を聞けば聞くほど、貴重な建物であることが分かっていくはずです。建築に興味のある人なら一見の価値あり。一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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日野宿本陣
〒191-0011
東京都日野市日野本町2-15-9
URL:
http://www.shinsenhino.com/shinsengumi/
arcs/0210_honjin/
京王線高幡不動駅より日野駅行きのバスで15分
京王線高幡不動駅より多摩モノレール線に乗り換え
甲州街道駅下車徒歩15分
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掲載日付:2008/03/05