この記事は前編と後編に分かれています。
前編をまだお読みでない方は、まず
前編からご覧ください。
<前編の内容>
●子どもの頃から天文学ひとすじ
●一度観るとやみつきになってしまう、迫力のデジタル映像
●移動天文観測車で天体の観望会も行う
府中市郷土の森博物館で、プラネタリウムの学芸員を務める本間隆幸さん。本間さんは、天体望遠鏡で実際の天体を観察する、観望会を行うことも仕事のひとつです。観望会は博物館の敷地内で行われるだけではありません。学校やPTAから要請があれば、本間さんは「星空の出前」と称して新移動天文観測車「ペガサスII」に乗り、府中市内や近隣都市にも出向きます(写真-上)。
「『ペガサスII』には、望遠鏡とミニチュアのプラネタリウムを積んでいます。現地に着いたら、天文ボランティアと一緒に望遠鏡をセッティングして、天体の解説をしています。ボランティアスタッフは、熱心な天文ファンであったり、天文よりはボランティア活動そのものに興味のある人だったりと、さまざま。色んな人に支えられながらやっているんですよ」
ちなみに、雨やくもりで望遠鏡を使った天体観測ができない場合は、ミニチュアプラネタリウムの出番。即席のドームを作り、そこで投影します。ミニチュアとはいえ、映像はデジタルなので、通常のプラネタリウムでは見ることができない、天体にぐんぐん近づいていくような映像を楽しむことができ、お客さんには人気だそうですよ。
ところで、達人おすすめの天体観測シーズンはいつなのでしょうか?
「一番天体観測におすすめなのは冬ですね。気温が低くて水蒸気も減るので星がきれいに見えるんです。ちょうど南の空は明るい星が多く、華やかですしね。また、今年はこれからの季節、しし座付近に土星があるので、ぜひ望遠鏡で見ていただけるといいですね」
望遠鏡を使えば、土星の輪もくっきり見えます。博物館で行われる次の観望会は3/22の予定なので、興味があれば足を運んでみてはいかがでしょうか?
●天文ファンがひとりでも増えること、それが喜び
本間さんは、プライベートでも呼ばれれば自前の望遠鏡を持って、ボランティアで観望会をしています。その情熱の源は、「本物の天体に触れるチャンスを広げたい」という強い思いです。
「自分が天文学に興味を持ったきっかけは、星空の美しさに感動したから。この感動を皆さんに味わってほしくて、より天体の姿をはっきり見ることができる機会を積極的に作りたいのです。そして、『宇宙の果てってどうなってるの?』『ブラックホールって何?』などといった疑問にも、まだまだ分からない部分も多いですが、知っている限りどんどん答えていきたいですね」
このように各地を回りながら、星空の魅力を伝えていく本間さん。この仕事のやりがいを感じるときは、やはり新たな天文ファンが増えたときだそうです。
「昔ここで、天文講座を行っていたのですが、受講していたお子さんが、天文に興味を持って、大学で天文学を専攻したという話を聞いたときは、とてもうれしかったです。ほかにも、何回も観望会に来てくれた高校生が、就職して人工衛星の製作に携わるようになったなど、ここに関わった方が、活躍していることを実感できるときに、一番この仕事をやっててよかったなって思いますね」
こうして、次世代へ天文学の魅力を語り継いでいくことが本間さんの使命なのかもしれませんね。
2~3月は博物館の敷地内の梅が見頃を迎え、梅まつりが行われている季節。ひとしきり園内で春の兆しを堪能したら、今度は暖かいプラネタリウムでゆっくりと星空を眺めてみるというのはいかがでしょう?
本間さんたちの熱意によって、ただ漠然と眺めていた星空が、天体のショータイムに早変わりするに違いありません。
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府中市郷土の森博物館
〒183-0026
東京都府中市南町6-32
URL:http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/
京王線分倍河原駅より徒歩20分
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掲載日付:2008/02/20