園の中央にある芝生広場の、これも真ん中には、存在感のある、すすきに似た、でもそれよりももっと穂の太い、背の高い植物が生えている。そのまわりには子どもが走り回っている。眺めていると、少し冷たい風が吹いた。なつかしいような、幸せな気持ちを思い出す景色だ。眺めていると幸せな気持ちになる、というのとはまた別物である。
植物園にはひとりでもいい、と先に書いたけれど、ひとりだとそんな風にしんみりしてしまうのも事実である。でも、ふたりでしんみりするくらいなら、ひとりでしたほうが私はいい。誰かとふたりで居るときは、楽しい気分でずっといたい。
あとで調べてみたら、すすきに似ていたのは「パンパスグラス」という南米の植物だったようだ。日本名は「白銀葭(シロガネヨシ)」。綺麗な名前である。
もっともっと、植物の名前に詳しくなりたく思う。私の母は職業柄、花の名前をよく知っており、その影響もあって、幼稚園の卒園文集には「やさしいお花やさんになりたいな」、なんて書いた私である。とはいえ、今となっては「やさしい」も「花屋さん」も、どちらも無理そうに思える。
掲載日付:2007/05/02