今、高尾山では冬そばが“旬”を迎えている。
高尾山は高尾山薬王院、天狗、指定天然記念物の木々とともにとろろそばが名物である。山周辺では自然薯が多く取れ、自然薯、つまりとろろは「精がつく食べ物」として広く世間に知られている。その精がつくとろろそばを食べてもらい、活力をつけて高尾山へ参拝してもらおうと麓の店でとろろそばを出したのがこの名物の始まりといわれている。
ちなみに、威張ることではないが僕は大のそば好きである。三度三度の食事よりそばが好きだ。でも、さすがに一ヶ月そばだけを食べ続けろ、と言われて食べ続けられる自信はないけれど・・・(笑)とにかくそばが好きなのである。僕の人生において、そばがなくなってしまったら、ずいぶんと味気ない思いをするに違いない。食べることが大好きな僕にとって、酒を飲んだあとの、もりそばは格別なのだ。あの「ズズッ」というのどごし(そばはのどごしが重要だ)を味わえなくなってしまったら、僕はどうしたらよいのだろうか! ブルブルッ! 考えるだけでもおそろしい。だからこそ、そば好きとしては冬そばの旬到来と聞いて行かないわけにはいかないのだ。
なぜ、行くのか? そこにそばがあるからである。(笑)そばが僕を呼ぶから、僕は行くのである。
というわけで僕は朝早く起きると、京王線に飛び乗った。目指すは冬そばシーズン真っ盛りの「高尾山口駅」。
京王線・井の頭線の各所で『高尾山の冬そばキャンペーン』のチラシが配られている。趣向をこらしたそばの数々を眺めながら、どれを食べようかとヨダレが垂れそうになりつつ写真に見入る。どの店も、雲のようにふわふわと盛られたとろろが美しい。
とろろそばはとろろそばでも、各店によって、食べ方や出し方が違う。定番のざるそば(とろろ入りそば猪口で食べるタイプ)、冷たい汁にそばが入っていて、それをとろろ入りそば猪口で食べるものもある。あらかじめそばの上にとろろがかかっているものもある。違いを楽しんで食べられるのも一興だ。ちなみにこのチラシのもうひとつおいしい(・・・・)ところは「高尾山そばマップ」に載っている21店、共通の割引クーポン券がついているところである。そば・うどんが100円引きというのがうれしいではないか! もちろんそのほかにも冬そば(500円以上)を食べて、スタンプを3個、もしくは5個集めると、抽選でプレゼントが当ったり、キャンペーン期間中に全21店舗で冬そばを食べるとPASMO1万円分が抽選で10名にプレゼントと言うから、そば好き且つ大食い自慢には食べても応募しても両方でおいしいキャンペーンである。
がぜんやる気が出た僕は、何軒回れるだろうかと腹と相談しつつマップ片手に高尾山周辺を歩きまわった。
結果は、3軒で3杯。
白い麺が特徴の更科そばと違って、高尾山のそばは黒みが強い田舎そばである。こしがあり、どの店も麺の太さ固さ、汁の味がバラエティに富み、甲乙つけ難いうまさだった。昼時に行ったことも相まってどの店もとろろそばを食べに来た観光客でいっぱいだった。店内を見回すと、木が天上までつきぬけている店があったり、そば打ちを実際に見ることができたり、店で出す自然薯がそのままの形で売られていたりとそばを待ちながら店舗ごとの雰囲気を味わうのもまた楽しい。
そばを食べて高尾山に登るか、高尾山に登ってからそばを食べるのか、選ぶ楽しみもあるだろう。
冬そばを食べに高尾山へぶらり電車の旅。気軽なそばの旅はおいしい上に楽しい。
掲載日付:2008/03/12